これからの時代に求められる人になる!ファッションEC入門講座-第3回目-後編

前編では、EC業界のトレンドやプロモーション手法の変化など、
大変分かり易くご説明いただきました。
後編では、プロモーションのトレンドとは?からお話させていただきます。

imahamasani

メディアや発信者の変化やWeb広告の複雑化

従来ファッションのプロモーションで使用されていた雑誌やTV。ユーザーのスマートフォンへのシフトが進むにつれ、SNSやLINEでの認知や自社メディア・アプリなどが台頭してきました。
④

いま顧客接点を多く持つために、「あらゆるところで情報を出す」ということが重要になっています。
Web広告についても、収益構造や出稿方法が変化したことに加えて、アドテクノロジーの発達と配信先の増加により、Web広告が複雑になってきています。

変化するwebマーケティング

従来は販路によって管理する情報と配信方法が、別々になっていました。
具体的に言うと、実店舗の会員はダイレクトメールや、実店舗会員向けのメルマガでセールの情報を伝えて、ネットショップの会員には、ネットショップ専用のメルマガでセールの情報をお伝えしていました。
⑤
いまは実店舗とネットショップの顧客情報は一元管理して、情報発信をしています。
保有している情報に基づいたお客様によって、メルマガの内容を変えたり、ネットショップの画像を変えたりなどの対応も可能になっています。

fashon

自社ECとモールECの共存

自社ECは実店舗でいうと直営で路面店を出すこと、モールECは百貨店やファッションビルに出店することに例えることができます。
モールECへ出店するとしても自社の戦略に基づいて、どのチャネルに出すのかを選択と集中が求められてきています。

モールECの出店としては以下のようなものがあります。
●インショップ
集客~運営~発送全て事業者側で行う。モール側には月額使用料やロイヤリティーを支払う。
例:楽天市場、DeNA

●モールEC主導の平場
商品撮影などはモール側が対応。商品登録や画像の調整などは事業者側が対応。
例:ZOZOTOWN

●販売委託型の平場
出店側は登録のみでよい。その他はモール側が対応。
例:109net、アイルミネ

・完全委託型平場
基本的には事業者出店側は商品提供のみ。
完全に委託することになるのでどうしても融通が利かない面もある
例:マガシーク、スタイライフ

どこまで自社でやってどこまで外注をするのか

自社ECサイトを運営するにしても、完全に自社の社員で行うのか(内製)、外部の企業に運営を代行するのか(外注)によって違いがあります。
●内製型メリット:スピードが早い/自由度が高い/利益率が高い
●内製型デメリット:リストを全てを追う
●外注型メリット:運用が楽/コストは一定/リスクが少ない
●外注型デメリット:スピード、自由度がない/利益率があがらない

もし自社のネットショップの成長スピードを上げたい、利益率を上げたい場合は、内製型へ進むことが一般的です。しかしながら、EC担当者がいないのに内製型にすることは危険です。一部の会社では商品撮影などを自社で対応しつつ、内製ができる体制を整えている例もあります。

<まとめ>

●EC事業の成長には土台となる組織の力、人間力、EC担当者の情熱。それらに加えて販売手法×在庫×集客の3つが必要になってきます。
●お客様がネットでも実店舗でおなじような購買体験ができるように販売手法や在庫を整え、「売れるお店」にした上で集客に力をいれていくことが大切です。
●メディアや情報発信者が変化しているなかWebマーケティング、プロモーション手法は劇的にも変化しています。
●自社ECとモールECの選択においては、それぞれのチャネルの特徴や自社の体制を踏まえた上での内製・外注の選択をおこなうことが大切です。

——————————
執筆:川添 隆(かわぞえ たかし)
株式会社メガネスーパー
EC・WEBグループ ジェネラルマネージャー
●デジタルハリウッド オンライン講師
●文化服装学院 非常勤講師
●ECzine連載
●LINE大使(自称)
メガネスーパーのECとWEB領域を統括。EC事業の売上を2年で2倍、メガネスーパー公式通販サイトは2.6倍の急成長を指揮する。LINE公式アカウントやスタンプも注力。
<略歴>
佐賀県唐津市出身、千葉大学デザイン工学科建築系卒。販売、営業アシスタントとしてサンエー・インターナショナルに従事後、ネットビジネスを志しサイバーエージェントグループのクラウンジュエルへ。ささげ業務から企画、PR、営業まで携わり2010年にクレッジ(クレッジからオルケスに社名変更、その後基幹ブランドのLIP SERVICEリップサービスは現在リンワンが運営)に転じ、EC事業の責任者として自社サイトの売上を2倍以上、EC全体を2年で2倍に拡大。LINE@を活用した事例でも成功を収める。2013年7月より現職。

これからの時代に求められる人になる!ファッションEC入門講座-第3回目-前編

業界研究をテーマに無印良品のCRM戦略と、
顧客時間の重要性について奥谷さんに講演いただいた前回。
今回はファッションECの実績をお持ちで、現在はメガネスーパーの川添 隆さんにファッションEC業界のトレンドやプロモーション手法の変化などについてお話いただきました。

川添さんはECzineでの連載(http://eczine.jp/author/49)、ご自身でのブログ(http://tkzoe.com/)もやっておられるのでそちらもぜひご確認ください。

<用語集>
自社EC / モールEC / DMP(Data Management Platform)

mazuhashitte

①

EC事業の成長には土台となる組織の力、人間力、EC担当者の情熱。それらに加えて販売手法×在庫×集客の3つが必要になってきます。

お客様がネットでも実店舗でおなじような購買体験ができるように販売手法や在庫を整えた上で集客に力をいれていくことが大切です。
kyanpenキャンペーンをやっているのにお客様がこないということが起こらないように、キャンペーンと販促をどのようにに連動させるかがポイントになります。

「実店舗とネットショップをどのように棲み分けるべきか?」という質問を受けることがあります。お客様からしたら同じブランドであればネットショップと実店舗を分けて考えていませんので、「自社のネットショップ」に関しては意図的に棲み分ける必要はなく、直営店の一つとして捉えるべきです。

なぜお客様は自社のネットショップを利用するのでしょうか?
「検索にでてくる」
「好きなブランドの商品が豊富」
「商品が探しやすい」
「ポイントが一緒」
という何気ないところに利用する理由があります。

実店舗とネットショップでの購買体験を比べると、実店舗で買い物をしたときの満足度のほうがまだまだ高いのではないでしょうか?
ファッションEC業界においても実店舗とネットショップのユーザー体験を同期できている店はほとんどありません。

ではどのようにしたら同期することができるのでしょう。
一つの考え方として実店舗とあらゆる販売方法を合わせることがあります。
例えば、販売日を合わせる、まとめ買いのセールを行う、コーディネートのセット販売をする、
ノベルティの配布をネットショップで行うということが挙げられます。

商品画像へのこだわりがトレンドに

ネットショップをやっているとお店の看板のトップページを綺麗にされる方が多いです。しかし、
お客様は商品ページをよく見るので商品画像を変えるだけで売上が変動することもあります。それだけ商品画像は大切です。

商品画像については、モデルを起用するタイプとスタッフを起用するタイプ二つに分かれます。

1)モデル起用
メリット:ビジュアルが安定
デメリット:使用期間が限定される、コストが高い、スケジュールの融通が利かないことがおおい
2)スタッフ起用
メリット:ブランドらしさが表現しやすい、スケジュールの融通がきく
デメリット:必ずしもビジュアルが安定しない

昔は商品画像はすべてモデルで対応することが主流でした。
今は、いまは商品画像のはモデルを起用が多くなり、コーディネート画像はスタッフを起用することがトレンドです。

事例をあげると「アイランド」は1日に多くのスタッフコーディネート画像がをアップされていますしています。

在庫権限こそ最大限の権限かつ売上アップの近道

ネットショップ運営において在庫確保は重大な事業経営課題です。
発注が予算按分で発注されたり、在庫管理がEC部門はEC部門だけであったりすることで、在庫は実店舗にあるのにネットショップでは在庫切れという事態になってしまうことがあります。
いかに在庫がないことでがっかりさせないようにするのかが大事です。
ネットショップ側で商品を発注して、店舗と連携をして在庫を消化するのが理想です。
それはただ、ネットショップと実店舗で売れるものというのは違うこともあるからです。ので、実店舗とネットショップの担当者で話し合って発注することでより全社的な機会ロスを減らすことができます。

ECの利便性の追求で機会ロスを減らす

機会ロスを防ぐ取り組みとしては、店舗ではできないネットショップだからこそできることに取り組んでいくことが大切です。

②

より戦略的になるWEB先行予約

商品入荷後の実販売に先行して予約を受けることを先行予約といいます。
予約のパターンは先行予約だけでなく、再入荷の予約などパターンが増えつつあります。

③

ファンサービスや顧客確保目的だけでなく、先行予約の発注量をみて発注の数量を決めるなどより店舗運営にとってもより戦略的に使われています。

後編では、プロモーションのトレンドをお話させていただきます。
ご期待ください。
——————————
執筆:川添 隆(かわぞえ たかし)
株式会社メガネスーパー
EC・WEBグループ ジェネラルマネージャー
■デジタルハリウッド オンライン講師
■文化服装学院 非常勤講師
■ECzine連載
■LINE大使(自称)
メガネスーパーのECとWEB領域を統括。EC事業の売上を2年で2倍、メガネスーパー公式通販サイトは2.6倍の急成長を指揮する。LINE公式アカウントやスタンプも注力。
<略歴>
佐賀県唐津市出身、千葉大学デザイン工学科建築系卒。販売、営業アシスタントとしてサンエー・インターナショナルに従事後、ネットビジネスを志しサイバーエージェントグループのクラウンジュエルへ。ささげ業務から企画、PR、営業まで携わり2010年にクレッジ(クレッジからオルケスに社名変更、その後基幹ブランドのLIP SERVICEリップサービスは現在リンワンが運営)に転じ、EC事業の責任者として自社サイトの売上を2倍以上、EC全体を2年で2倍に拡大。LINE@を活用した事例でも成功を収める。2013年7月より現職。

【気になるアレコレ】オススメのネットショップ関連の本・サイト

こんにちは、ネットショップ能力認定機構の櫻木です。
私自身ECに入ったばかりのころは、
右も左もわからずにどのように勉強をしたらいいのかわかりませんでした。

当日の私と同じように・・・

「ネットショップをとりあえず始めたけれどもどうしたらいいのかわからない。」
「やってみたいけれどもとりあえず勉強したいけれどもどうしたらいいの?」

そのような悩みを解決するために、
個人的に読んだ本や情報収集をしているサイトなどをお伝えします!

1)おすすめの本
2)ECメディア
3)行政関係のサイト

1)おすすめの本

やはり何かを勉強したい!というときには本を買われる方や、
勉強会を実施するときは同じ本を使って実施したいという方も多いと思います。
いくつか本を読んでいただき、ご自身にぴったりの本と出会えればと嬉しいです。

売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。

売れるネットショップ開業・運営ネットショップ店長のバイブルとも言えるこの本。
いまでもAmazonのeコマース部門1位ですね。(2015.10.8現在)初版2010年年とあって、いまではあまり主流ではない施策などもあります。
ただ、基本的な考え方はいまでも十分通用しますし、ノウハウについても原理原則をおさえた上で、最新情報にアップデートすることで十分ネットショップ運営に生かすことができます。個人的には取扱商品の4つの分類のショップの行う3つの施策というものがとても気に入っています。

 

成功する ネットショップ集客と運営の教科書

成功するネットショップ集客と運営の教科書ネットショップを始める前に整理しておきたいことがわかりやすく書かれています。ネットショップの集客や運用についても書かれていますが、
ビジネスの原理原則や心構えについてしっかり書かれているところが好感を持てます。

 

 

ECサイト[新]売上アップの鉄則119 オムニチャネル時代の集客から接客まで
(WEB PROFESSIONAL)

ECサイト新売上アップの鉄則コンサル経験豊富な株式会社いつもさんが出版した本です。上記本に比べて出版が新しいこともあり、ノウハウのアップデートには最適です。タイトルに書かれているとおりネットとリアルの融合についてのネットショップの施策などについて言及されている点がいいですね。

 

 

 

なぜあなたのECサイトは価格で勝負するのか

なぜあなたのECサイトは価格で勝負するのかこれまでにあげた本とは少し毛色の違う本です。海外事例をもとにECサイトで価格競争に巻き込まれない本質の部分について教えてくれます。やってはいけないことを含めて書かれていて、海外のサイトの事例を知って楽しむ読み方もよいですが、長期的にショップを運営しているためにはどのような経営が必要か?という観点で読まれるととてもいいと思います。

 

 

2014-2015年版 ネットショップ検定 レベル1 公式テキスト

ビジネス:ネットショップ検定認定講師ネットショップ検定レベル1のテキスト本です。

BtoCを中心としたECに関する基礎知識を網羅しています。EC市場やビジネス環境の変化や、
業務スケジュールや法律面や梱包、接客など含めて全体像をつかむことができるのが
一番のメリットです。
ノウハウを知りたいという方より、EC業界全体について把握したい方についてオススメの本です。
資格試験もやっているので目標が明確にしやすく勉強のモチベーションを維持しやすいですね。

2)ECメディア

インターネットの世界はドッグイヤーと呼ばれるように、変化のスピードがかなり早いです。それぞれ情報収集のメデイアはあるかと思いますが、わたしがよく参考にしているメデイアを5つピックアップしてご紹介します。

ECのミカタ
老舗のECに関するビジネスポータルサイト。
EC業界相関図はどのようなプレイヤーがいるのかを一目で確認できるので、
便利です。EC支援事業者側の情報を追いかけたい場合によく見ています。

ECzine
ECの支援側だけでなく、実際にネットショップを行っている方の記事や事例が豊富です。
業界のトッププレイヤーの視点など確認できて勉強になります。

ネットショップ担当者フォーラム
調査結果の記事やノウハウについてはよくこちらで確認いたします。
ノウハウに関する記事が豊富で漫画での連載があったりなど
他の媒体にはない切り口のものもあり面白いです。

ShoppingTribe
売り手だけのメディアが多い中で、
売り手と買い手の情報が載っている点が特徴です。
ファッションやライフスタイル系のショップの情報が充実しています。

eコマースコンバージョンラボ
ショップオーナー目線でのわかりやすく便利なまとめ記事や、
業界の展望についてよく書かれています。
資料を作っているときなどに調べたいことがすでにサイトでまとめてあることもあって、
よくお世話になっています。

3)行政関係のサイト

ショップを運営する意味では調査結果などはそこまで必要ではないのかもしれません。
ただ、業界の大きなうねりを感じる意味ではたまには参考にするのもいいと思いますよ!

電子商取引実態調査
経済産業省が毎年発表しているECに関する調査です。
マクロ的なところや越境に関する数値についてはよく確認しています。
みなさんもセミナーなどでよく実態調査の資料はご覧になると思います。

家計消費状況調査
総務省統計局が発表している家計消費の統計です。
平成27年1月分からネットショッピングでの消費状況もわかるようになったので、
チェックしています。

消費者庁:インターネットをめぐる消費者トラブルについて
独立行政法人国民生活センター

これら2つのサイトは消費者目線でどのようなトラブルが起こっているのか、
また法改正に絡んでくることがあるので確認することがあります。
事例などを読んでいると、このような被害にあった方はネットショッピングで
買い物したくなくなるよな~とつくづく思ってしまいます。

ebizアカデミー
独立行政法人中小企業基盤整備が運営するEC支援サイト。
無料で学べる動画がたくさんあり参考になります。講師陣もかなり豪華です。

最後にこのほかにも流通・小売、通販、マーケティングに関するサイト・本を読まれている方もいらっしゃると思います。

今回は初心者向けということで、
ここであげた本やサイトをいくつかピックアップして、
情報収集するだけでだいぶ業界の動きはわかってくるのでは?と思います。

何よりも大事なことは、知ったこと・学んだことを実行する。
実行した結果に基づいて次のアクションに繋げていくこと

みなさんのオススメのサイトや本がありましたら是非教えてください!

———————————-
執筆:
ネットショップ能力認定機構 事務局
櫻木

【気になるアレコレ】定着化したハロウィンのいま

みなさま、少しずつハロウィンの日が近づいております。

来週あたりから、
仮想現実のような光景を思わせる、
仮装した方々が街中を練り歩きます。

今じゃ、経済効果1,000億ともいわれ、
9月から秋のこの時期になると、オレンジのかぼちゃを見ない日はないほど、
すっかり日本でも定着したイベントになっています。

ハロウィンって、なぜこんなに騒がれるようになった??
▼ハロウィンのルーツをご紹介しているサイトです。
http://www.sbbit.jp/article/cont1/30158
出展:ビジネス+IT

ネット上でも、様々な特集が組まれています。
▼ハロウィンの流行る仮装特集
ここまでやるか、やらないかは、あなた次第です…
http://matome.naver.jp/topic/1M8Jm
出展:NAVER

▼なぜかハロウィンのプレゼントにボールペン…プレゼント特集
https://bestpresent.jp/halloween/
出展:ベストプレゼント

日本では、毎月何かしらのイベントが開催されるようになり、
ネットショップを運営される方は、次回のイベントに向けて
企画の打ち出しが大変かと思いますが、
販売のフックとして、この流行りの波にも乗っかってみてはいかがでしょうか。

~みなさまは、今年ハロウィンの仮装しますか?しませんか?~
▼ハロウィンに関する調査
http://www.asukanet.co.jp/main/photo/enq_26.html
出展:フォト総研
 

————————————————
執筆:
ネットショップ能力認定機構 事務局 猿楽

プリンをこよなく愛す、自称プリンアドバイザー。
ネットショップに関連する、気になる「アレコレ」を、
様々な情報を抜粋して、ご紹介いたします。

これからの時代に求められる人になる!ファッションEC入門講座-第2回目-後編

前編では、「店舗」対「WEB」から見えてくる、会員動向をご紹介させていただきました。
さて、具体的に奥谷氏がどのような施策を実施してきたのか、気になる続きをご覧ください。

EC②WEB4:6の法則から、あえて無印良品WEBサイトに訪れたお客様に、アンケートをとったところ、以下の事実が判明しました。

[オンラインストア利用動機]
1位 買い物前に商品をチェックする
2位 オンラインショッピング
3位 新商品の情報をチェックする
4位 キャンペーン情報を見る
5位 店舗情報を見る

ここでお客様は、Webで何か買いたいから、WEBサイトに来るわけではなく、「情報収集」のために、WEBサイトに來ることがわかりました。
実は、WEBは敵だといっていた店舗でさえ、良品週間のクーポンをお客様に届けるために、会員登録を促しており、結果として「お客様がWEBと店舗を行き来する」という新たなスタイルができていました。
しかしながら、詳しいデータは店舗側でわかっていなかったため、数字を見て施策を考えて打つことのできる、Web事業部が施策立案から店舗に関わっていきました。
施策を計画・実施をするなかで「どうやったらお客様がネットを見て、店舗に足を運んでいただけるのか?」ということを考えていました。

ここでは店舗送客のために実施した、施策を紹介します。
EC④0929
Social Medeiaからの情報発信は、有楽町店のみの取り組みでしたが、見事成功を収めました。その後も他の店舗で施策を繰り返すことで、「Webって敵じゃないね」という風土ができあがってきました。

2.の店頭受け取りサービスは、ネットで買うのは怖いため、情報閲覧のみ、という方に支持をうけ、Web事業部の年間受注の4%を占める売上になりました。この取り組みで「Webって店舗にお客様を連れて来てくれるものなんだ」ということを理解してもらいました。

他に他社のサービスを活用した事例を紹介します。

お客様の消費データをみると「文房具は買うけど、食品は買わない」「食品は買うけど、衣服は買わない」といったように、同じ店舗内でも、お客様には商品と距離があることに気づきました。これらの距離を縮めるために「ショプリエ」という来店促進サービスをつかって、クリスマス時期にキャンペーンを実施しました。
EC⑤0929

キャンペーン中に、多くのお客様にスキャンしていただけましたが、
3つの課題が浮上しました。

1.同じお客さんが何回もできてしまう
2.店舗オペレーションの問題
3.来店動機として機能したが、購買につながっているのか?

3.については、キャンペーン参加者に、アンケートを実施し、回答を確認することで、売上に貢献していることがわかりました。より一層、Webを用い、お客様とのコミュニケーション作りに、力を注いでいいきました。

EC②offline2000年から「モノづくりコミュ二ティー」というものがあり、SNS使用前から、お客様とコミュニケーションをとる土壌がありました。2009年10月Twitterアカウント開設を皮切りに、2010年にはFacebookページ、2011年にはmixiページ、2013年にはLineのアカウントを作成しています。

EC⑥0929
Socail Mediaはearned mediaであるということを留意しつつ、Own mediaへ入るきっかけとして力をいれています。

Social Mediaは当時から盛り上がっていたため、オンラインにおけるお客様との盛り上がりを、オフラインで表現することに挑戦したのが「KNIT Like COLLECTION」です。

キャンペーンの結果としては、
・お子連れのお客様の関心が高く、多くの人がディスプレイに滞留していただけた
・お客様のいいね!が可視化され、見ることができるので店頭でのインスタレーションにつながった
・首都圏以外の人もアンケートに参加してくれ、売上にも一定の効果

このキャンペーンの成功の要因は3つあげられます。
・売り場というリアルな場
・Social Media上の盛り上がりを可視化にする
・五感に訴える

次はビッグデータをつかったキャンペーン「カレーなる無印良品」についてご紹介します。

EC②caryy
Youtube動画:カレーなる無印良品
ビッグデータは左脳的(過去)、マーケティングは右脳的(未来)で、ビックデータとマーケティングは、結びつかないと思う方もいらっしゃるかもしれません。このキャンペーンは、ビッグデータとマーケティングの親和性は「高い」ということを示した事例となりました。

データから判明した内容を、お客様の導線作りに繋げました。
①意外な事実を動画に組み込む→②店舗やYoutubeで配信→③ネットでキャンペーンの告知→④試食会を実施している店舗に行ってもらう、流れを作りました。

テレビで取り上げられた時ほどの、効果はありませんでしたが、このキャンペーンもかなりの売上を収めることができました。

EC②net私自身がずっと思っている事、
それは「リアルでの買い物の楽しみは、なくらない」ということです。

たとえば、先ほどご紹介した「カレーなる無印良品」の事例では、試食を実施した店舗の売上は、
試食をしなかった店舗より多かったです。こういった試食や実際に体験することは、店舗でしかできません。

Web事業部として大切なことは、リアル店舗における
1.買物の楽しみ
2.非日常性
3.新たなる発見
のお手伝いをSocial Mediaとデジタルデバイスを使って行うことにあります。

伝わるメッセージは、いつもアナログとデジタルの融合です。
お客様が感動することは変わらない、しかし今は伝わり方が、デジタルになっています。

いまや店舗だけ、Webだけ、とどちらか一方で買い物をする時代ではなくなりました。またWebを使うことで、何に興味があるのかが、わかるので「もの」とネットの関係を考えることが大切です。

B to CからB with Cへ お客様のそばで繋がるMUJI passport

スマートフォンが普及して「検討→購買→使用・消費」のプロセスでネットでつながっているいま。従来の広告は効きづらい時代になっています。

では、このような時代に、無印良品はどのようにコミュニケーションを取っているのでしょうか?
「B with C」といって、なるべくお客様の周りに、コミュニケーションチャネルを置き、お客様と繋がっていこうとしています。そのような背景で、アプリを使いお客様と繋るための仕組みが、MUJI passport です。

EC②mujiMUJI passportの目的は3つです。

・Web、リアルの区別なく無印良品のファンの方とコミュニケーションを図る
・持続的な来店数増を売上増につなげる
・マーケティング施策効果の可視化

コミュニケーションを図る施策として、マイレージプログラムを行っています。
買い物の際に、ポイントを付与するだけでなく、改善提案や店舗チェックインなど、ポイントを付与することで、お客様と無印良品の距離を可視化しています。
ポイント付与の仕組みによって、「来店頻度を増やす」ような取り組みもできるようになりました。

MUJI passport の効果としては、
コンスタントにダウンロード数が増えていまでは400万ダウンロードを超えています。

アプリを導入することで、リアル店舗のデータを取ることができるようになりました。
たとえば主要顧客やアプリをつかった売上構成比や、来店頻度、商圏などが分かり、次のマーケティングの施策に生かすことができます。

これまで良品週間の案内をチラシ配布などで、実施していましたが、MUJI passportのおかげで従来の告知方法より、多くの方が良品週間の恩恵を受けることができた点も効果の一つです。

EC②net2ロイヤリティプログラム自体ははどの会社でも行っているかもしれません。
無印良品はお客様とのつながりを演出するために、MUJI passportを取り入れています。これからの時代、Webは「つながりを演出するための場所」になるでしょう。
EC⑦0929

小売業にとって重要なことは、Webとリアルを融合することです。Webのためでなく店舗のためにもつかえる技術であることを、皆様には覚えていただきたいです。

<今回の講義のまとめ>
・お客様の購買動機や顧客体験は、購買時のみではありません。購買前の検討のフェーズや、購買後の使用・消費のフェーズも含まれています。お客様との絆を深めるためには、これらのフェーズに寄り添い、顧客時間を増やして満足度を上げていくことが大切です。

・ECは「ネットでものを売買する場」から、「お客様とのつながりを演出する場」という役割を担うようになってきます。

・小売業にとって大切なことはネットとリアルの融合です。
ネットというのはネットだけでなくリアルの店舗のでも使える技術です。

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講師プロフィール
元 株式会社良品計画 WEB事業部 部長
奥谷 孝司(おくたに たかし)

(株式会社良品計画での主なキャリア)
1997年良品計画入社。3年の店舗経験の後、取引先の商社に2年出向しドイツ駐在。家具、雑貨関連の商品開発や貿易業務に従事。帰国後、海外のプロダクトデザイナーとのコラボレーションを手掛ける「World MUJI企画」を運営。2003年良品計画初となるインハウスデザイナーを有する企画デザイン室の立ち上げメンバーとなる。05年衣服雑貨部の衣料雑貨のカテゴリーマネージャー。現在定番商品の「足なり直角靴下」を開発、ヒット商品に。10年WEB事業部長。「MUJI passport」のプロデュースで14年日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会の第2回WebグランプリのWeb人部門でWeb人大賞を受賞。

2010年 早稲大学大学院商学研究科夜間主MBAマーケティング・マネジメントコース(守口剛ゼミ)修了。
2015年4月 日本マーケティング学会常任理事就任
2015年10月 株式会社良品計画退社予定
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text031_01★小売り業に関するお話は、
当機構の公式テキスト「ネットショップ検定 公式テキスト レベル1」
     P23に掲載されております。ぜひご参照ください。

完全無料!中小企業のための本気のEC講座。【ebizアカデミー】

中小機構様の主催セミナーが、今年も全国で開催予定です。
お住まいの地域で開催の際は、ぜひ足を運んでみてください。

訪日外国人を取り込め!Webマーケティングセミナー

セミナーは各会場とも 13:30~16:00(受付13:00~)の開催となります。

9月 16日(水) 【札幌】ACU/アキュ 小研修室1212
10月 6日(火) 【福岡】JR博多シティ会議室 9F 大会議室3
10月 7日(水) 【熊本】ガーデンシティ熊本 「阿蘇」
10月 8日(木) 【宮崎】KITENビル コンベンションホール 8F 大会議室1/3C
10月 9日(金) 【鹿児島】鹿児島東急REIホテル 会議室 2Fアルノ
11月 10日(火) 【京都】TKPガーデンシティ京都 2F山吹
11月 11日(水) 【大阪】新大阪丸ビル別館 会議室 E
11月 12日(木) 【和歌山】新橘ビル 8F A会議室
11月 13日(金) 【奈良】奈良商工会議所 地下AB会議室
12月 8日(火) 【新宿】コンベンションルーム・AP西新宿 6F 会議室6-NOP

悩み解決ワークショップ~国内EC売上アップのための実践講座~

当セミナーは各会場とも 13:30~16:30(受付13:00~)の開催となります。

10月 1日(木) 【札幌】会議・研修施設 ACU/アキュ 小研修室1203
10月 2日(金) 【仙台】Navis リンケージルーム
10月 13日(火) 【沖縄】沖縄県青年会館 中山の間
10月 15日(木) 【福岡】デジタルハリウッド 福岡校
10月 19日(月) 【東京】デジタルハリウッド大学
10月 21日(水) 【広島】広島オフィスセンター 会議室2
10月 22日(木) 【高松】イートピア香川 クラスルームA
10月 28日(水) 【大阪】デジタルハリウッド 大阪校
10月 29日(木) 【名古屋】カネジュービル 第一会議室
11月 4日(水) 【金沢】金沢勤労プラザ 会議室204

これからの時代に求められる人になる!ファッションEC入門講座-第2回目-前編

前回は「ファッションEC市場動向」というテーマでEC市場全般の内容から、ファッション関連市場動向についてお伝えいたしました。

今回は「ファッションEC業界研究」というテーマで、良品計画で活躍しておられた奥谷孝司氏が講師として登壇いたしました。オンラインストアの売上は、2006年には無印良品有楽町店の売上を抜き、いまでは全体売上の7%にまで達しています。MUJI passport を使ったオムニチャネルの成功事例でもよく取り上げられる無印良品。この成功に導いた要因とは?
EC①+0629無印良品はお客様とどのように関係を構築して、どのようなコミュニケーションを取っているのか?これまで無印良品が取り組んできた事例を紹介しつつ、顧客時間の重要性について説明していきます。
<用語集>
CRM / 顧客時間 / オムニチャネル / Owned Media / Earnd media

店舗対WebからはじまったMUJI DIGITAL MARKETING

Web事業部の役割は大きく3つありました。

1.お客様を店舗に送客する機能
2.ネットストアにおける売上獲得
3.暮らしの良品研究所を通じたお客様とのコミュニケーション

ここで与えられた役割のなかでも、
・無印良品のコンセプトを伝えてお客様が店舗に行きたくなるような場にすること
・ネット上に集まったファンとのコミュニケーションを強化していくこと

上記2つの課題、いわば「ネットとリアルの融合」が最優先課題として取り組んでいくことになりました。

しかしながら、2010年当時「店舗」対「WEB」という構造がありました。店舗オーナーのなかにはネットストアに売上が奪われているという疑念があったためです。

そこで「ネットストアでどのくらい買っているのか?」と調べた結果が以下のグラフです。
EC①0929
このグラフからわかることは、せっかく会員登録をしたのにもかかわらず、6割以上はネットで何も買っていないことでした。

この”6割”に目を向けて気づいたことは、「お客様はメールを受信しておくと、お店の情報が入ってくるから会員登録をしている」というシンプルな事実でした。ネットストアの売上が、必ずしも会社の業績やお客様の満足度に直結しているわけではない…とすると、

ネットストアの売上には固執せずにWEBの技術をつかって店舗の売上をあげるにはどうしたらいいのか?お客様の時間に積極的に入り込み、お客様と無印良品との関係強化を計り、満足度を上げるためにどうしたらいいのか?と考えていくことになりました。ここで一つのキーワードとして「顧客時間」という概念が登場します。

お客様が何かを買う理由は、購買時点だけをみてもわかるわけでなく、検討から使用・消費まで入り込みお客様との絆を作ること必要です。しかしながら、小売の現場では「なぜ」買ったのかではなく、「何が」売れているのかしか注目していませんでした。なぜ買っているのかを知るためには「検討→購買→使用・消費」までをしっかり見ることが重要であり、そのプロセスが見えるのがWEBでした。オムニチャネルといわれる時代になると、ネットとの接点が増えて顧客時間というのがより見えてくるようになりました。

EC②0929EC③0929これまでの取り組みから上記のような法則のようなものがわかってきました。

つまり、店舗送客やコミュニケーションを通じて顧客時間を活性化させることで最終的に店舗の売上につながるということです。

では、具体的にどのような施策を実施してきたのか、気になる内容は次回後編でご紹介させていただきます。

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講師プロフィール
元 株式会社良品計画 WEB事業部 部長
奥谷 孝司(おくたに たかし)

(株式会社良品計画での主なキャリア)
1997年良品計画入社。3年の店舗経験の後、取引先の商社に2年出向しドイツ駐在。家具、雑貨関連の商品開発や貿易業務に従事。帰国後、海外のプロダクトデザイナーとのコラボレーションを手掛ける「World MUJI企画」を運営。2003年良品計画初となるインハウスデザイナーを有する企画デザイン室の立ち上げメンバーとなる。05年衣服雑貨部の衣料雑貨のカテゴリーマネージャー。現在定番商品の「足なり直角靴下」を開発、ヒット商品に。10年WEB事業部長。「MUJI passport」のプロデュースで14年日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会の第2回WebグランプリのWeb人部門でWeb人大賞を受賞。

2010年 早稲大学大学院商学研究科夜間主MBAマーケティング・マネジメントコース(守口剛ゼミ)修了。
2015年4月 日本マーケティング学会常任理事就任
2015年10月 株式会社良品計画退社予定。

これからの時代に求められる人になる!ファッションEC入門講座-第1回目-前編

ネットショップ能力認定機構で企画しているファッションEC入門講座を開講いたします。
第一回は「ファッションEC市場動向」と題しまして当機構事務局長の森戸が登壇いたしました。
本講座は全15回でファッションEC業界の基礎知識から実践的スキル習得を目的
としていますので、ぜひ継続的にご覧ください。

■EC市場は今後も成長する見通し。ファッションEC業界も同様。

【1.まずは確認「EC」とは?】
この講座でも使われている「EC」。「electronic commerce」の略で使われており、
日本語では「電子商取引」といいます。他にも「eコマース」、「ネットショップ」、
「ネット通販」などが同様の意味で使われることが多いです。

図1

【2.取引の種類は?】

取引も「誰が」売って、「誰に」売るのかによって変わってきます。
本講座では基本的な以下の3つの取引について学びました。企業が政府(Government)
に何かを売る場合は「BtoG」ということもあります。
図2

ファッションEC入門講座では「B to C」の取引に絞って学んでいきます。

【3.EC市場動向は?】

さて、EC市場っていまどのぐらいの市場規模なのでしょうか?
下記のグラフをご覧いただければわかるように、毎年成長を続けており、2014年で12.7兆円。
一部調査によると2020年には20兆円になるとも言われている日本国内では数少ない成長市場と言えます。
図3
小売業全体では2014年の販売額は141.2兆円(※1)、
大型小売店(百貨店・スーパー)の年間販売額が20.1兆円(※1)、
コンビニ市場規模が約10.1兆円(※2)といわれており、
小売業においてECに占める割合がどんどん増えていっているのがわかりますね。

※1出典:経済産業省 商業動態統計年報(平成26年)
※2出典:日経新聞社 2014年度コンビニ調査

【4.ファッションEC業界の動向は?】
日本のファッション業界全体は緩やかに縮小傾向にあります。
ファッション関連での購入意欲が高い若年層の割合が減ってきているという
点については要因の一つしてあげられます。
図4
出典:経済産業省
ファッション業況調査及びクールジャパンのトレンド・セッティングに関する波及効果・波及経路の定量分析 調査報告書

経済産業省の調査によるとファッションEC市場規模は2013年1.4兆円で、
2020年には2.6兆円となるといわれており、ファッション業界のなかでもECは同様に成長傾向にあります。今後ファッション業界でもリアルだけでなく、ネットで販売をする人がいるのが
「当たり前」になっていくと予想されます。

<続きは-第1回目-後編をご確認ください>

 

これからの時代に求められる人になる!ファッションEC入門講座-第1回目-後編

これからの時代に求められる人になる!ファッションEC入門講座-第1回前編では、

ファッション業界のお話をさせていただきました。

つづきをご覧ください。

1.■ECに携わるにあたって知っておきたいこと

【1.「誰に」「なにを」「どのように」で売っていますか?】

ECだけなくビジネスの基本ではあるのですが、ネットショップをはじめるにあたって、この「誰に」「なにを」「どのように」で売っているのかしっかり考える必要があります。
この3つがはっきりしていないとせっかくいい商品、いいショップをつくっても、知られない、
売れないという事態になってしまいます。

ネットで実際にショップを作らなくても、
自分が「誰から」「なにを」「どのような手段で」「なぜ」買ったのかを、買う前にちょっと考えるクセをつけることで、「商売のセンス」というのを磨いていくことができます。

本講座では代表的なネットショップであるAmazon、楽天市場、zozotwonを見比べながら、
「誰に」「なにを」「どのように」について考えていただきました。

【2.対面販売じゃないからこそ考えておきたい「誰が」売っているのか】

みなさんはネットでものを買うときにこのショップから買って大丈夫か?と確認したことはありますか?

EC市場が成長するにつれてネットショップの数はどんどん増えてきます。
またネットショップは店舗でもマンションの一室でもどこでもできますし、個人でも法人でも売ることができます。

こういうことを考えると今後ネットショップにおいて大切になるのが「信頼」できるショップかどうか。このショップは果たして安心なのか?誰が売っているのか?商品管理はちゃんとしているのか?などを消費者が確かめることがどんどん当たり前になってくると想定されます。

この信頼を生む取り組みや確認の手段の一つとして、中国での友人にSNSで確認する例、オークションのレビュー画面や、ネットショップのオーナーのブログ、ネットショップ能力認定機構の優良ショップ認定制度についてご紹介いたしました。

海外との物の売り買いがインターネットで行われるのが普通になるとさらに「信頼」というのは大切になってきますね。

■ファッションECの海外展開はインターネットでもできる?

【1.海外展開が進んでいない日本のファッション企業】
国内のファッション業界全体の市場は縮小傾向にあるなか、海外進出を進めていきたい企業は多いと思います。UNIQLOを運営しているファーストリテイリングをはじめとして数社以外は、海外進出が進んでいないのが現状です。
図5

【2.まずはインターネットで海外展開が当たり前の時代に?】

経済産業省の調査によると、
日本企業の強みより、主に9つの民間企業の事業展開戦略オプションをあげています。

(1)「街」「館」総合開発型
(2)売場プラットフォーム輸出型
(3)EC展開型
(4)メディアコンテンツ連携型
(5)機能・技術訴求型
(6)美容サービス・規格輸出型
(7)産地ブランド化型
(8)王道ラグジュアリ追求型
(9)現地小売業展開型

このなかでEC展開型というものがあり、活かせる日本企業の強みとしては「着こなし提案力」と言及されています。

また、以下のグラフより、各国における販売チャネルにしめるECの割合は基本的に増加傾向にあります。従来は展示会に出展し現地のバイヤーに売ってもらう、現地に出店して売るというやり方がメインでした。しかしながら、各国のEC市場のが成長するにあたって、日本にいながら海外展開のできるECという選択肢がコスト・リスクともに従来の手法に比べて低いため、あたらしい当たり前になる可能性が秘めています。
図6

出典:経済産業省 ファッション業況調査及びクールジャパンのトレンド・セッティングに関する波及効果・波及経路の定量分析 調査報告書

これからファッションビジネスに携わるには海外市場抜きには考えられません。インターネットを使えばコトバができないは理由になりません。国内だけでなく海外の動向もたえずチェックしておきたいですね。

■まとめ

本講座中もなんども言及しましたが、EC市場は成長を続けています。働くのであれば成長市場に身を置くというのが一番「安定」しているという考え方もありますし、事実ECについてを知っている人のニーズというのは増えてきています。

★さて、長くなりましたが本講座のまとめです。★

・EC市場は成長市場であり、ファッション分野も同様です。

・プレイヤーが多くなるため「信頼」というのが今後ますます重要になります。

・国内ファッション業界は縮小傾向、海外市場抜きは考えられない時代になることが予想されます。

・海外進出にまずはインターネット販売を一つの選択肢として、取り入れることが重要です。

沖縄ベンチャーマーケット 当機構ブースにお立ち寄りいただいた 方向け 解答発表

先日は、沖縄ベンチャーマーケットの当機構のブースにお立ち寄りくださり
ありがとうございました。

その際に、お渡しいたしましたネットショップ検定 レベル1
のサンプル問題の解答は下記です。

【問題2】正答:4
【問題9】正答:2
【問題24】正答:2
【問題34】正答:2
【問題45】正答:4
【問題53】正答:2

いかがでしたか?
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