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これからの時代に求められる人になる!ファッションEC入門講座-第2回目-前編
- 2015/9/29
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前回は「ファッションEC市場動向」というテーマでEC市場全般の内容から、ファッション関連市場動向についてお伝えいたしました。
今回は「ファッションEC業界研究」というテーマで、良品計画で活躍しておられた奥谷孝司氏が講師として登壇いたしました。オンラインストアの売上は、2006年には無印良品有楽町店の売上を抜き、いまでは全体売上の7%にまで達しています。MUJI passport を使ったオムニチャネルの成功事例でもよく取り上げられる無印良品。この成功に導いた要因とは?
無印良品はお客様とどのように関係を構築して、どのようなコミュニケーションを取っているのか?これまで無印良品が取り組んできた事例を紹介しつつ、顧客時間の重要性について説明していきます。
<用語集>
CRM / 顧客時間 / オムニチャネル / Owned Media / Earnd media
店舗対WebからはじまったMUJI DIGITAL MARKETING
Web事業部の役割は大きく3つありました。
1.お客様を店舗に送客する機能
2.ネットストアにおける売上獲得
3.暮らしの良品研究所を通じたお客様とのコミュニケーション
ここで与えられた役割のなかでも、
・無印良品のコンセプトを伝えてお客様が店舗に行きたくなるような場にすること
・ネット上に集まったファンとのコミュニケーションを強化していくこと
上記2つの課題、いわば「ネットとリアルの融合」が最優先課題として取り組んでいくことになりました。
しかしながら、2010年当時「店舗」対「WEB」という構造がありました。店舗オーナーのなかにはネットストアに売上が奪われているという疑念があったためです。
そこで「ネットストアでどのくらい買っているのか?」と調べた結果が以下のグラフです。
このグラフからわかることは、せっかく会員登録をしたのにもかかわらず、6割以上はネットで何も買っていないことでした。
この”6割”に目を向けて気づいたことは、「お客様はメールを受信しておくと、お店の情報が入ってくるから会員登録をしている」というシンプルな事実でした。ネットストアの売上が、必ずしも会社の業績やお客様の満足度に直結しているわけではない…とすると、
ネットストアの売上には固執せずにWEBの技術をつかって店舗の売上をあげるにはどうしたらいいのか?お客様の時間に積極的に入り込み、お客様と無印良品との関係強化を計り、満足度を上げるためにどうしたらいいのか?と考えていくことになりました。ここで一つのキーワードとして「顧客時間」という概念が登場します。
お客様が何かを買う理由は、購買時点だけをみてもわかるわけでなく、検討から使用・消費まで入り込みお客様との絆を作ること必要です。しかしながら、小売の現場では「なぜ」買ったのかではなく、「何が」売れているのかしか注目していませんでした。なぜ買っているのかを知るためには「検討→購買→使用・消費」までをしっかり見ることが重要であり、そのプロセスが見えるのがWEBでした。オムニチャネルといわれる時代になると、ネットとの接点が増えて顧客時間というのがより見えてくるようになりました。
これまでの取り組みから上記のような法則のようなものがわかってきました。
つまり、店舗送客やコミュニケーションを通じて顧客時間を活性化させることで最終的に店舗の売上につながるということです。
では、具体的にどのような施策を実施してきたのか、気になる内容は次回後編でご紹介させていただきます。
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講師プロフィール
元 株式会社良品計画 WEB事業部 部長
奥谷 孝司(おくたに たかし)
(株式会社良品計画での主なキャリア)
1997年良品計画入社。3年の店舗経験の後、取引先の商社に2年出向しドイツ駐在。家具、雑貨関連の商品開発や貿易業務に従事。帰国後、海外のプロダクトデザイナーとのコラボレーションを手掛ける「World MUJI企画」を運営。2003年良品計画初となるインハウスデザイナーを有する企画デザイン室の立ち上げメンバーとなる。05年衣服雑貨部の衣料雑貨のカテゴリーマネージャー。現在定番商品の「足なり直角靴下」を開発、ヒット商品に。10年WEB事業部長。「MUJI passport」のプロデュースで14年日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会の第2回WebグランプリのWeb人部門でWeb人大賞を受賞。
2010年 早稲大学大学院商学研究科夜間主MBAマーケティング・マネジメントコース(守口剛ゼミ)修了。
2015年4月 日本マーケティング学会常任理事就任
2015年10月 株式会社良品計画退社予定。