【農業ECカフェ特別企画】株式会社ファームステッド 長岡氏に聞く”これからの農業とは”

10月27日第2回農業ECカフェ(主催:一般財団法人ネットショップ能力認定機構 共催:独立行政法人 中小企業基盤整備機構)は「農業をデザインで変える」をテーマに実施いたしました。
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登壇いただいた株式会社ファームステッド代表取締役の長岡氏に”これからの農業”についてお話しを伺いました。

ファームステッド株式会社長岡氏
ネットショップ能力認定機構猿楽渡辺

農業の「距離感」が近くなってきている

猿楽:政府の統計などでは農業従事者は年々減ってきていると聞きます。ただ、私の感覚としては、農業の技術研究や6次産業化など、様々な形で“農業”に関わっている方々は年々増加しているように感じるのですが、実際のところどうなんでしょうか。

長岡氏:実際に農業に携わっている人口が増減しているはわからないです。ただ、感覚として、ここ2~3年は特に、農業と非農業従事者との「距離感」が近くなっている気がします。昔と違って、農業が農家だけのものでなく、一般の方々の関わり合いが増えてきているように感じ、もしかしたらそういった意味で関わり合いが増えているのではないかと思います。

猿楽:確かに、ここ最近農業が身近になっている気がします。「距離感」とおっしゃいましたが、インターネットの普及によりネットショップなど様々な販売スタイルが生まれています。それらは農業に携わる方と消費者が近いという点で何か関係するのでしょうか。

長岡氏:一般の消費者の方々が近年、安全性やおいしさなどの「こだわり」を野菜や果物に持つようになってますよね。だからこそ、消費者は信頼できる生産者から、直接買いたいと思うようになったり、「地方に行って、自ら農業体験をしてみたい!」ということが流行っているのかもしれません。そういった意味での「距離感」が近くなっているように思います。だからこそ、農家の方が自ら加工、ネットショップなどで直接販売なさる方が増えている事にも関係しますよね。

農家が直接販売することが”これからの農業”のスタートとなる

猿楽:現在、農業デザインに携わっていらっしゃいますが、将来の農業、第一次産業はどのような変化があると考えていますか?

長岡氏:場所にもよります。北海道十勝の農業であれば、大規模農業や大型トラクターなどの外国型で大規模な収穫を行っているところがあったり、九州では小さい規模の農業でも独自の作物を作ったりしてます。そのため、地域ごとの違いは大きくなることが当たり前であり、だからこそ、リアルでもネットショップでも、顔を出して直接販売することがスタートになるのではないか、“なるべき”だと思います。それにそういうことも消費者が求めていますし。

猿楽:では、今後日ごろから情報発信を行う若い世代を含め、農業に携わる人や直接販売を行う人は増えてくるのでしょうか?

長岡氏:そうですね、やはり農家の方々は自分の生産物をたくさんの方に食べてもらいたいんですよ。そういった中で、日本経済の発達やインターネットの力が強くなってきたからこそ、直接販売が可能になってきたという時代の移り変わりとともに、どれだけやるかは別として、直接販売する機会が増えてくると思います。

猿楽:ありがとうございます。今後、従来の農業の販売スタイルが変化すると考えられますが、その際に気を付けることや、重要なことはありますか?

長岡氏:今までは規模感、どれくらい大きいかということが大事で、優位性があり、価値がありました。ただ、今は各地それぞれの良さというものを各自個々で情報を発信できる時代で、その流れがこれからも強くなってくると思います。というか、そうならなければいけないと思っています。だからこそ、“どこで何をしているのか”、細かいところを発信することが大事だと考えています。

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農家の「想い」を伝えることの大切さ

渡辺:私は北海道札幌出身で現在は福岡に住んでいます。スーパーで売られているものを見ると、札幌と違うなと感じるものと、あまり変わらないもの、それぞれある気がします。そのような似通った商品がある場合、どうすれば差別化できると思いますか?

長岡氏:今までは農家が農協に出して販売することが一般的で、もちろん農協が良いか悪いかという話ではなく、そのような仕組みがとられていました。
例えば、AさんBさんがジャガイモを生産したとしても、農協に出せば、その地域のブランドで販売されてしまう。そのとたんにAさんの農地名が消えるため、ブランド化する必要なんてなかったんです。ただ、今後十年で大きく変わってくると思います。それぞれの農家の「想い」がもっと消費者に伝わってくるようになる。そうなると、今疑問に感じている“なぜブランド化が必要なのか”という問題はなくなるはずです。今までと異なり、農家さん自身が自分たちのことを客観視できるようになるにつれて、ますます個々で発信し、指名買いされるという流れが強くなっていくと思っています。

渡辺:だからこそ、「農業をデザイン」する必要があるのですね。

長岡氏:まさにそうなんです。農家の方々に自分の農作物にはもっと価値があることに気づいて欲しいです。

「農業をデザインで変える」を出版した理由

猿楽:貴重なお話ありがとうございました。最後に最近出版された「農業をデザインで変える」という書籍について、どんな内容か教えてください。

長岡氏:デザインのHow to本や、デザインの方法発信が目的でこの本を出版したわけでなく、実際に僕たちが関わらせてもらった農家さんの事例が掲載されていることがポイントです。というかほぼその内容が占めていますね。
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猿楽:私も読ませてもらったのですが3分の2近くが実例が記載されてましたね!農家さんのキラキラした笑顔が印象的でした。

長岡氏:どのような形であれ、どのような人であれ、現状を変えたいと思っている地域の行政の方や、他の農業従事者に勇気を与えるというか、一歩踏み出す思いを後押しできたと思っています。だからこそ、北海道だけでなく、全国の事例を載せています。「きっかけになれば」や「自分たちのやっていることの誇りや価値に気づいてほしい」という想いがあります。

猿楽:単なる方法論の本というわけではなく、きっかけを作るための本なんですね。
本日は、ありがとうございました。

———-
執筆者:
ネットショップ能力認定機構
運営事務局 渡辺、猿楽

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