これからの時代に求められる人になる!ファッションEC入門講座-第5回目-前編

「日本って本物のブランドがないね」と、パリ留学時にグッチの同僚に言われた言葉がきっかけで「日本のものづくりの現場から世界ブランドを作る」という決意を持ち、現在もビジョン達成に向けて突き進んでいるFactelier(ファクトリエ)を運営している山田敏夫氏に、講義をしていただきました。

fakutrieni

ファクトリエは、アパレル工場(作り手)と消費者(使い手)を直接つなげる、日本初のアパレル工場オリジナル商品専門の、ファッションブランドです。世界最高水準の技術を持つ日本のアパレル工場と、直接提携し、主にネット通販で販売しています。

他の通販と異なる点は、すべての商品の生産過程が分かる動画を作成し、商品のこだわりが伝わるよう工夫をしています。

このような動画のコンテンツは、雑誌などと異なり、何回閲覧しても消費されず、
世界中の人たちへ映像のみで伝わるところに、インターネットを活用した動画コンテンツの、最大のメリットがあると考えています。

いかに早く目的のページに辿り着き、購入していただけるかが、ネットショップでは大切と言われることがあります。
ですが、ファクトリエのサイトでは、「様々な商品ページ、様々な生産過程の動画を見てもらい、じっくり良さを理解してもらって、購入に至ってほしい」という思いがあるため、購入までに多くのページを見ていただけるよう工夫しています。

ファクトリエは、工場とお客様を直接繋ぐことで、中間業者を除く事が可能となり、基本的にはインターネットで販売しています。
図

start

日本のアパレル業界は20年前の10分の1の規模になっています。
「Made in Japan」をもう一度復活させることが、いま私がファクトリエで行っていることです。熊本で生まれて、創業100年の婦人服店に生まれ、1階が店舗、2階が住居という環境で育ちました。20歳のころに転機があり、グッチのパリ店で勤務していました。

「日本って本物のブランドがないよね」と同僚に言われました。

グッチやエルメスなどは工房から生まれたブランド、すなわち「モノづくりの現場から生まれたブランド」であり、日本の有名なブランドはデザイン、マーケティング、セールスから生まれたブランドがほとんどで、モノづくりの現場から生まれたものがないと言われました。

この経験を機に、日本からものづくりの世界ブランドを作ることを決意します。

在庫を抱えることからはじまった起業

会社を創ったのは2012年です。当時日本で始まったばかりのクラウドファンディングに挑戦し、114万円の支援金が集まり、約100枚のシャツが売ることができました。

しかしながら、初回の生産ロットは400枚で、まだ売れていない300枚のシャツ代金を、支払わないといけない状況に追い込まれました。
当時は「ファクトリエ」という知名度もなく、楽天やAmazonに出店もしていなかったため、検索から購入に至る事は、ほぼありませんでした。

なので、行商のようにトランクにシャツを詰め込んで、シャツを使うことが多いホテルやタクシー会社などに営業をしたり、会社の人事や総務の方へ連絡をして、着こなしセミナーを無料で実施させていただき、知名度を少しずつあげることに努めました。ありがたいことに、そのセミナーで購入していただける方も増え始め、徐々に残りのシャツも売れていき、なんとか支払いに間に合いました。

このように地道ながらに、消費者にファクトリエの商品を届けることができ、ひとつずつ信頼を獲得していきました。
kyuokan
想いを持っている人が、どのように想いを実現しているのか?
実はそこに実現のハードルが無いということを、ここではお伝えします。

仲間

ファクトリエは中間業者を無くして工場とお客様を直接つなぐお手伝いをしています。言い換えると、中間業者が担っているそれぞれの役割を自分たちでやらないといけません。

当時はファクトリエは自分一人。やるべき業務はたくさんある状況です。そんな中、手紙であったり、TwitterやFacebook、メールなどで連絡をくれて、
それぞれのスペシャリストたちが奇跡的に集まってくれました。集まってくれたメンバーは平日の夜や週末に当時の青山のオフィスに集まって、ボランティアで仕事を手伝ってくれました。

「日本から世界ブランドをつくる」という理念を持ち、一つの事例をつくることで日本のものづくりが大きく変わると信じ、成功事例をつくるために必死に頑張っていました。こういう想いのある事業だったからこそ、仲間が集まってきたのだと思います。この「やりたい気持ち」の沸点を超えてできた事業というのは、どんな困難に直面をしても壁を壁だと思いません。

東京都創業支援事業の一環で起業を目指す方のメンターをやることが多いのですが沸点を超えている事業かどうか?というのをこれから起業をする人たちには聞いています。
起業することやお金儲けが目的となったらこの事業には共感は生まれません。腹の底からやりたいことをやれば共感が生まれて人が自然と集まってきます。

お客様

ファクトリエのお客様には各業界の著名人含め様々な方がいらっしゃいます。私自身、ファクトリエをはじめたころは、こういった方たちとの人脈はありませんでした。そこで何をしたのかというと、会いたい人たちに手紙を書き始めました。

返事が来なかった理由を自分なりに考えて、会いたい人には返事が来るまで書くというのを徹底することで切り開いていきました。いまファクトリエにいる学生インターンのメンバーは、私のこういう姿を見ているので、会えない人はいないし、できないこともないと思っています。なので自分で限界を作らずに、会いたい人がいたら手紙を当然のように書いてコンタクトをとっています。

そして、こういった著名な人達と会っても、私自身はビジョン達成のために「沸点」を超えているので、社会的な地位などを気にせずに、対等にコミュニケーションをとり、自分たちが実現したい世界について語ることができます。

社会

「語れるもので日々を豊かに」というのが私たちの理念です。
「日本から世界ブランドを作る」というのが私たちのビジョンです。

ビジョンは行き着く先、であり、
理念はビジョンを実現するための歩み方です。

「世界ブランド」を作るといった場合に、いま世界で有名なファストファッションブランドらしい歩み方もありますが、ファクトリエでは「語れるもので日々を豊かに」という道を歩んで、頂点のビジョンを目指しています。

ファクトリエでは、この歩み方を徹底しています。また行動指針が5つあって、スタッフはみんな言えるようになっています。

山田氏が会社を生み出したきっかけ、信念、ビジョンを熱く語っていただきました。
後編では、「ブランド」になるまでにどのような歩みを行ってきたか、
お話いただきます。

お楽しみに。

—————————–
ライフスタイルアクセント株式会社
代表取締役社長
山田敏夫(やまだ としお)

1982年熊本県生まれ。創業約100年の老舗婦人服店の家で育ち、 大学在学中にフランスに留学し、Gucciパリ店に勤務。 2006年にソフトバンク・ヒューマンキャピタルに入社し、 「ITメディア」や「イーキャリア」の営業職として4年間勤務。 最年少でメディア事業本部営業マネジャーになるも退職し、 当時、東京ガールズコレクションの公式通販サイトを運営する「fashionwalker.com」に入社 。最先端のファッションビジネスを経験した後、 2012年にライフスタイルアクセント株式会社を設立。 日本初のファクトリー直販ブランド「Factelier(ファクトリエ)」をオープンした。

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