
HAZSの東氏にきく
自信を持ってできるクレーム・苦情の正しい対応のしかた
お客様あってのネットショップ。顧客対応はお互い顔が見えない商売だからこそより重要になります。しかしながら、顧客対応の正しいやり方を知らないがために、気がついたらクレームに発展するケースも…。大切なお客様を大切にするために、リスク専門のコンサルタントである東さまに、顧客対応のポイントをお伺いしてきました。
櫻木:まずはじめに、東さんはリスク専門のコンサルタントとのことですが、具体的にどのようなことをされているのでしょうか?
東氏:基本は、コンサルティングとして社内の体制構築のお手伝いです。ルールの文書化、企業の持つ資産の保全等を考えてます。その中で必要な、データ分析や顧客対応など、現場の人を育てる仕事をしています。
櫻木:資産管理と顧客対応って一見関係ないように思うのですが・・関係性についてもう少し詳しくお聞かせいていただけますか?
東氏:企業の持つ資産とは、人・物・金・情報です。人は、社内にも、社外にも居ます。通信販売の場合、社外の人(=顧客)は資産といるのではないでしょうか?顧客との関係を最適な状態で保つ事は、もっとも重要な管理の一つです。
櫻木:社内の人だけでなく社外の人=顧客、パートナーも確かに重要な資産ですね。
櫻木:今回のテーマは「クレームや苦情の正しい対応の仕方」ですが、クレーム・苦情が入ってきた場合まずなにをしたらいいのでしょうか?
東氏:ファーストコンタクトを初動と言います。クレームや苦情が入ってきた場合、初動で必要なのは、自分が担当でなくても、顧客からの信頼を勝ち取り、状況をすべて隈なく聞き理解することです。ここでの間違いは後で、取り返しのつかない場合があります。解決は初動で決まると言っても過言ではないです。 世の中、いい人ばかりでは無く、いわゆるモンスター顧客と言われる悪意のある人が存在します。この対応が難しいです。いかにして、おとなしく離れていただくか・・・
櫻木:最初の対応が全てを分けるわけですね。そしてまずは状況をしっかりと聞き、理解することがなによりも重要なのですね。しっかりと状況を理解していく以外に重要なことはございますか?
東氏: 話の内容に矛盾がないかをヒアリングします。初動で把握できなかった矛盾は、後では把握できないです。「なんで初めにそれを言わなかったんだ!!」「そんなこと聞いていないので捨ててしまった」「人を信用していないのか?」などと返されると、それ以上進みませんね。なので、初動はとても重要なのです。
櫻木:顧客対応をしている方は悪意のある顧客に”どう離れていただくのか”で悩んでいると思います。最初の対応以外でなにかポイントはありますか?
東氏: 自社の商品や付帯するサービスなどに、きちんとしたルールを考える事です。人によって変わるルールは、ルールではありません。ころころ変わるルールもルールとは言えないです。ある程度普遍のものでないと、その人が自社にとっての顧客であるか、判断が付きません。判断がつけば、対応はできると考えています。
櫻木:いわゆる”モンスター顧客”といわれるような、無茶な要求をしてくる顧客には要求を断ってもいいということですか?
東氏:そうですね。ビジネスの基本として、将来においても収益が見込めない場合は、顧客とは言えないと思います。
櫻木:ここで大切なのは自社にとって真の顧客とは誰なのか?と考えることなのですね。
断る際に気をつけるべきことはなんでしょうか?
東氏:断り方です。喧嘩する必要はないですが、曖昧にすると要求が激しくなります。
櫻木:やはりクレームや苦情はできれば避けたいものです。減らすために重要なことはありますか?
東氏:自社商品や付帯するサービスを良く知り、良く考えて、何も知らない人が、わかるぐらい明確な顧客対応ルールを作成して、相手に伝える事です。
櫻木:対面であっても非対面であっても、プロフェッショナルとして顧客対応をするということですね。何も知らない人がわかるぐらいな顧客対応ルール作りというのは、属人化して結構ハードルが高そうですね…。
東氏:なので、コンサルタントとして活躍する場を頂いています。
櫻木:確かに経験のないなか構築するには、プロフェッショナルの方にご相談して進めたほうがよさそうですね。お話を聞いて思ったのが、本来大切にすべきお客様に時間が割けていないために、リピーター化・ファン化の機会を逃しているように思いますがいかがでしょう?
東氏:特に通信販売やネットショップは、相手の顔が見えない商売です。自社のファンは、何も言わずに買ってくださる方です。このことに気づかない方が多いです。この人に意識して、大切に思う事が重要だと思います。
ありがとうございました!!
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<取材ライター紹介>
櫻木 諒太
一般財団法人ネットショップ能力認定機構 事務局
公的機関でコールセンター立ち上げおよび顧客対応部門を担当した後に、中小・ベンチャー企業の海外販路開拓やEC支援に携わる。
退職後はネットショップ能力認定機構の事務局としてネットショップの教育普及に取り組みつつ、ワークスタイルの変革や次世代型成長企業支援のスキームをつくるべく一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会(JASISA)としても活動中。