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これからの時代に求められる人になる!ファッションEC入門講座-第6回目-前編
- 2015/12/16
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※本講座は一般財団法人ネットショップ能力認定機構が運営協力をしている学生向けの「ファッションEC入門講座」の講義をWeb掲載にあわせて編集したものです。
各企業のネットショップの取り組みについてご紹介した過去5回。
今回から、ネットショップを開店するために必要な知識や考え方について、お伝えいたします。第6回目は株式会社三越伊勢丹ホールディングスの中島郁氏にご登壇いただきました。大規模のネットショップの立ち上げやマネジメントを、3社以上経験され、現在もネットショップ運営に取り組まれている中島氏がお伝えする、規模・目的に応じたネットショップ出店のポイントとは?
ネットショップと実店舗の運用は似ています。
カタログ通販などは一度、カタログを発行してしまうと修正ができませんが、ネットショップは売れ筋やお客さんの反応に基づいて、レイアウトや商品などを変えていくことができるため、実店舗の運用に非常に近いです。
基本は同じですが違いを認識しておくことが大切です。
店頭では実際に商品を目にして、手にして、確認することができて、さらに定員さんから説明をうけることができます。
その結果、実店舗に知名度やブランドがあれば、知名度のないブランドでも売れます。
ただ、ネットショップの場合は知名度のないブランドは知られていないので売ることが容易ではありません。
実店舗は商品を入荷して陳列することですぐに買っていただけますが、ネットショップは商品の登録作業などがあり、売ることができるようになるまでの時間がかかります。この時間軸が違うということはネットショップと実店舗がある店ではとくに意識しておく必要があります。
そのほかにもネットショップ運営に携わるにあたって知っておきたい点というのがあります。モールと独自ドメイン店はビジネスのルールが違いますし、大規模のネットショップと小規模のネットショップでは世界が変わってきます。とくに10億円を超えはじめると、どうやって売上をつくるだけではなく、どうやってショップを回していくのかが課題になっていきます。
私自身、講演の機会があるたびにお伝えしている、ネットショップに限らずWebビジネス成功の3つの要素というものがあります。
1.コンタクトポイントの増加
お客さんにどうやって露出するのか?
ネットショップでは、集客。存在を知ってもらい、商品や施策を伝えることが大切です。
ネット専業のショップではネットでしかお客様との接点を持てませんが、実店舗があると増やすことができます。
2.コンテンツの増加
ネットショップでは、品や商品関係の情報や店舗などの情報を増やすことです。
商品の登録件数を増やす、商品・ショップの情報を増やすということです。コンテンツが充実していないと、お客さんも満足せず、検索経由での流入がありません。
3.使い勝手の向上
ユーザビリティのアップや使い勝手の改善です。ネットショップでは、回遊し滞在が長く、使いやすい。決定率アップさせることです。
これら3つは、実店舗の運用と非常に似ていて、また、3つがお互い非常に関連していて、ネットショップ構築や支援のシステムとも深くかかわっていますので、これらの要素を意識しながらネットショップ運営をしていくことが重要です。
ネットショップを始めるというのは多くの会社では、新しいこととみなされることが多いです。ネットショップに限らず新しいことをはじめるにあたって、プロフェッショナルとして留意しておきたいことがあります。
<新しいチャレンジへの心得>
・確実に(正確に)
・費用をできるだけかけずに
・早く(時間をかけず)
実践することが大切です。
<新しいチャレンジへの必須条件>
・採算を合わせる
・成長を高める
・信頼を勝ち取る
その為には、
・知見を高める
・経験をする
・ちゃんと考える
・仕組み、基準を創る
これらをきちんと守り、実践していく必要があります。
ショッピングモールと独自ドメイン店ではゲームのルールが違います。それぞれの目的に応じて出店形態の選択および戦い方を、決めていく必要があります。
・ショッピングモール
自身は売主ではなく、テナント料(手数料)が収入。
発表されているのは流通量・流通総額です。
リアル店舗で例えると、
「109」や「イオンモール」、「ららぽーと」が挙げられます。
<ショッピングモールの例>
・楽天市場
・Yahooショッッピング
・DeNAショッッピング
・ポンパレモール
・Amazonマーケットプレイス
・独自ドメイン店
自社が仕入れた商品を売主となって販売。
物販売上が収入となります。
リアル店舗の例としては、
「トイザらス」、「マツモトキヨシ」、「伊勢丹」などが挙げられます。
<独自ドメイン店の例>
・ケンコーコム
・ニッセン
・トイザらスのネットショップ
ショッッピングモールと、独自ドメイン店のそれぞれの役割を備えているモールがAmazonです。
自社でも販売していますが、テナントやインフラビジネスも展開しています。収入源は「物販の売上」と「手数料」です。
モール店と独自ドメイン店の違いについては、以下をご確認ください。
次回後編では、「ネットショプの組織・役割と支援サービスについて」から、お話させていただきます。
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執筆者
株式会社三越伊勢丹ホールディングス
顧問役員兼WEB事業部長 中島 郁氏
これまで、いくつもの新規・急成長事業のマネジメントを経験。トイザらスでマーケティング部門立上及びEC子会社を設立。ジュピターショップチャンネルのEC及びマーケティング担当執行役員本部長を経て、世界最大のECサービスプロバイダー、GSI Commerce(現eBay Enterprise)のAPAC代表 兼 日本法人社長。2012年三越伊勢丹グループに。米国Babson College MBA。