2017年4月8日(土)、地域や成長企業の課題を解決する人材育成プロジェクト「CMO47」が、CMOスクール開講にあたり、福岡にてオープンセミナーを先行開催しました。
今回のセミナーは二部構成で、一部は『WEBやICTを活用した地方創生の実現に必要な人材とは』、二部は『「ウェブ解析」で地域にあるデータを活用するコツ』についてお伝えしました。
=講師紹介===================================================
第一部:一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会 森戸裕一氏
第二部:一般社団法人ウェブ解析士協会 ウェブ解析士マスター
株式会社クラックス 小田切紳氏
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1.はじめに
「CMO47プロジェクト」とは?
2.第一部:WEB・ICTを活用して地方創生をするために必要な人材とは?
2.1.地方創生をめぐる現状
2.2.稼ぐ地域に必要な人材
3.第二部:稼ぐ地域に変えるためのウェブ解析入門
3.1.「ウェブ解析」とは?
3.2.「ウェブ解析」のステップ
3.3.「ウェブ解析士」の役割
4.おわりに
1.はじめに
「CMO47プロジェクト」とは?
「どうやったら地域産品の販路拡大ができるだろうか?」
「どうやったら観光客が自分たちの地域に来てくれるだろうか?」
「どうやったら企業誘致や移住プロモーションがうまくいくだろうか?」
多くの方がこうした悩みを抱えているはず。そして、このような地域が抱える課題を解決するために「CMO47プロジェクト」が生まれました。「CMO47プロジェクト」とは、
「ウェブを使って地域資源の販路開拓を支援すること」「WEBやICTの人材育成を通して、より質の高いマーケッターを全国47都道府県の地域で輩出すること」を目的としています。
当プロジェクトが育成を目指す「CMO(Creative Marketing Officer)」とは、
「地域のマーケティング施策立案から、地域内外の人材を巻き込んで事業を立ち上げることができる人材」を指します。
CMO47プロジェクト運営事務局は下記の3団体が運営をしています。
一般社団日本中小企業情報化支援協議会
一般社団ウェブ解析士協会
一般財団法人ネットショップ能力認定機構
2.WEB・ICTを活用して地方創生をするために必要な人材とは?
講義の第一部では、「WEBやICTを活用した地方創生の実現に必要な人材」について考えました。
なぜ今、地域でウェブ活用に長けた人材を育成する必要があるのかを理解するために、まずは地方創生を取り巻く現状を見ていきましょう。
2.1.地方創生をめぐる現状
現在日本は「人口減少の進行、東京一極集中の加速、地域経済の低速」等の問題に直面しており、これに対する重点施策として「稼げる地域づくり」の推進が求められています。地域の中小企業にとって、場所や時間の制約を受けずにビジネス展開できるECは、ビジネス拡大の大きなチャンスとなります。
しかし、ECやウェブマーケティングの知識・スキルが不足しているために、なかなかビジネス拡大にウェブを活用できていない地域が多いのが現状です。
IT革命の始まりとも言われる現代、ビッグデータやECが目まぐるしい勢いで発展していますが、
「データはあるけど、どう活用したらいいのか分からない…。」
「ネットショップを出店したのはいいけど、どうやって運営するの?」
というのが地方の本音ではないでしょうか。
2.2.稼ぐ地域に必要な人材
だからこそ、これまでは大都市圏のみに集中していた「マーケティング施策を立案・実行できる専門家」が、地方でも必要とされます。
また、全国各地で輩出された「CMO」が互いに協力することで、地域内外の連携が強まれば、新しい市場の開拓ができたり、継続的な学習にも繋がります。地方は、大都市圏に比べると人口で圧倒的に不利であり、地域内需のみに視点を向けていれば、成長は見込めません。しかし、インターネット時代の恩恵を上手く活かし、ウェブマーケティングによって都市圏からの外需を生み出すことができれば、地方の中小企業であっても、ビジネスで自分の立ち位置を確保することができるのです。
3.第二部:稼ぐ地域に変えるためのウェブ解析入門
第二部では、演習問題を参加者が実際に考え、お互いに意見を出し合うことで、ウェブを使ったマーケティング(ウェブ解析)の理解を深めました。
3.1.「ウェブ解析」とは
「ウェブ解析」とは、ビジネスに必要なあらゆるデータを見ながら問題点を検証し、自分に合ったマーケティング戦略を考えて実行・検証することです。
重要なのは、成功する戦略を「自分で」考えること。各地域や企業にはそれぞれに合った戦略があるはずで、場当たり的に他の真似をしてはいけません。
たとえば、何の戦略もないまま、
「ホームページを多言語化して世界中をお客様にしよう」
「ネットショップで出店しよう」
と考えても、おそらく失敗するでしょう。
「ウェブ解析」の重要なコツは、ユーザーが自分たちのサービスをどのように使い、どのような価値を見出しているのかを調べ、自分に合った成功戦略を考えることです。
3.2.「ウェブ解析」のステップ
「ウェブ解析」と聞くと、つい「データを見ること」ばかりに意識が向きがちですが、「ウェブ解析」には、以下のように踏むべきステップがあります。
①「事業」と「ユーザー」を分析
データを分析する前にするべきことは、第一に事業内容とユーザーへの理解を深めることです。会社がどんなサービスを通してどんな価値を提供しているのかを調べ、さらにサービスを利用するユーザーの行動様式についても徹底的に分析します。
このステップを踏まなければ、データだけを見ても視野が広がらず、効果的な戦略を考えることができません。
②「データ」の分析
事業を分析・理解したら、次にデータを見ます。たとえばウェブサイトのアクセス解析をする場合は、ユーザー数、セッション数、ページビュー数等のデータを元に、問題点がどこにあるのかを検証し、改善策の仮説を立てます。
③戦略を考える
改善すべき点を発見したら、最後に、欲しい売上から逆算して目標を定めます。
「売上を達成するためには、何人のユーザーを獲得する必要があるのか?」「目標数までユーザーを増やすためには広告費がいくら必要で、最終的にどれほどの利益が得られるのか」など、データを元に仮説を立て、関係者たちが納得のいく戦略を考えます。
つまり、ウェブ解析士が一番にすべきことは事業を分析し、ユーザー視点を手に入れることです。
3.3.「ウェブ解析士」の役割
以上のように、ウェブを活用し事業戦略を練り、PDCAを回すのが「ウェブ解析士」の仕事ですが、「ウェブ解析士」の重要な役割は、ウェブのデータを会社全体で活用できるように橋渡しを担うことです。
具体的な数値に基づいた根拠のある戦略を提案することで、たとえば商品開発部門は、より成功の可能性が高い開発に力を入れることができます。リアリティのあるマーケティング計画を立案し、関係者を巻き込んでいくことが「ウェブ解析士」の役割なのです。
さらに、こうしたウェブ解析に長けた人材が地方に増えれば、WEBやICTを活用した地方創生が実現するでしょう。
ウェブ解析士の詳細はhttps://www.waca.associates/jp/
4.おわりに
全国に先駆け福岡で開催したオープンスクールには、島根県や大分県、長崎県など他県からも多くの方にご参加いただきました。社会人だけでなく学生の参加もあり、ウェブ解析の演習問題に取り組んだ際は、社会人と学生の垣根を超えて活発な議論が行われました。
「CMO47」プロジェクトは始まったばかりですが、参加者同士がコミュニティを形成し、互いに知識やスキルを高める場を継続的に作ることで、一気に広がっていくでしょう!
地方創生、ウェブ解析やネットでの販路開拓等の情報を定期的に配信しています。
次回のスクールのご案内等もこちらからご確認ください。
Facebookグループ:CMO47プロジェクト
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次回CMO47スクールは沖縄会場を予定しています。
CMO47スクールin沖縄
1日目:2017年4月22日(土)13時30分~16時30分(13時15分開場)
■地域ビジネスプロデューサー育成講座
・稼ぐ地域に変革するために必要なプロデュース術とは?
・地域を巻き込むためのファシリテーション入門
・ヨソもの、バカもの、ワカものを生かすためのコラボレーション術 等
■地域産品の販路拡大を実現するネットショップ担当者養成講座
・最新のECトレンドについて知る
・ネットショップ担当者としての基礎知識
・地域発のネットショップの成功事例から学ぶ 等
2日目:2017年4月23日(日)13時30分~16時30分(13時15分開場)
■地域マーケッター育成講座
※都合によりプログラムを変更することがあります。ご了承下さい。
<概要>
時間:4月22日(土)13時30分〜16時30分(13時15分開場)
4月23日(日)13時30分〜16時30分(13時15分開場)
場所:宜野湾ベイサイド情報センター
(〒901-2227 沖縄県宜野湾市宇地泊558-18)
参加費:無料
主催:CMO47プロジェクト運営事務局
後援:一般社団法人沖縄イーコマース協議会